Unity1週間ゲームジャムに参戦しましたレポート V2

 お疲れさまです。

 久しぶりに時間が取れたので Unity1週間ゲームジャム に参戦しました。これで通算2回目の参戦となります。

 簡単に説明すると、Unityというゲームエンジンを用いて1週間でお題に沿ったゲームを作りましょうというイベントです。今回のテーマは「ふる」でした。

 私は前回のイベントにも出ようと思ったのですが、お題の「つたえる」が難しすぎたので断念しちゃったんですよねー‥。しかし、今回のテーマは一瞬で、頭に稲妻が走るかのような閃きが起こりました。よって参戦です。

つくったもの

 魔法少女フルコンボ✕フルボッコ というタイトルのゲームを作りました!

 ゲームの内容は典型的な「音ゲー」で、画面両側からリズムに合わせて迫り来る敵を画面中央の魔法少女を操作して倒していくという内容です。

 テーマに対して、"フルコンボ・フルボッコ・(敵配置を)左右に振る・拳を振るう・剣を振るう・フルボイス"というてんこ盛り解釈で作られたゲームです。

企画の経緯

 お題が「ふる」と発表された瞬間に私の脳内には「フルコンボ」と「フルボッコ」が浮かびました。この時点でまずは敵をタイミング良く倒す音ゲーにすることは確定です。

 しかし私がこの手のイベントに出るに当たり「普段やってないことの新規開拓・自己研鑽の場としたい」という自分の中でのお題があり、音ゲーは6年くらいかけてちゃんとしたのを作ってたのでそれには矛盾してしまいます。

 なのですが丁度数日前、相方と「Unityで製品レベルの音ゲー作ってみたくない?」というような話をしたばかりで、これは将来の事を考えると貴重な技術習得のチャンスだと思って、あえて経験済みの"音ゲー"で挑みました。(なお過去作はC++/DXLibで作ってました。)

超多人数チーム制作

 今回は普段から創作活動でお世話になっている神坂カコイさんとタッグを組んで開発し、キャラクターの素材と背景素材はお任せしました。ですが音ゲーである以上BGMの素材が必要で、せっかく私には上質な楽曲を作れる相方のかにかまが居るので、彼の過去作品から雰囲気に合う物を5曲借りました。これで事実上の3人チームになったわけです。

 そして魔法少女が2人出てくるゲームなので"掛け合い"をやってみたかったのですが、私の文章力では良いセリフが浮かばなかったので百合系創作に強いクリエイターのリスヴァンデュさんを急遽お誘いしてセリフをお願いしました。

 更にキャラがいて、セリフがあって、音で楽しむゲーム‥‥ときたらもうボイスが欲しいですよね!?というわけで声優の菜月なこさんと水斗ののかさんにボイスを依頼しました。

 これでなんと合計6人の大所帯チームとなりましたとさ。すっごい‥‥!このイベントって合作するにしてもせいぜい3人チームくらいが多いので、倍ですよ倍。こんなに沢山の方々に協力していただけて大変感謝ですね。

デザインコンセプト

 今回は「魔法少女が敵と戦う音ゲー」という事で、じゃあまずなぜ魔法少女になったのか‥ということですが

 ・横から見た構図と、見下ろしの構図 どっちにしようか相談 → 横からの構図に決定

 ・横からだと左右の計2レーン上を敵が走ってくるしかなくて、音ゲーとしては簡単になっちゃうかも? → 左右の空からも敵が来るようにして4レーンにしよう

 ・地上に立ってる主人公が空の敵を攻撃する方法のつじつま合わせが難しい → じゃあ中に浮いてる2人目の主人公を用意しよう

 ・そんな人間どうやって実現する? → ホウキにまたがる魔法少女ってどうだろう → 採用!

 ‥という流れだったりします。

 さっそく魔法少女2人のデザインを神坂カコイ先生に描き起こしてもらいつつ方向性を話し合い「ニチアサ的なアニメ」を意識することにしました。そして「魔法少女モノのアニメ」という方針でコンセプトは固まりました。なので、選曲画面はDVDのチャプター選択画面を強く意識し、ゲーム中のシステム文章などは女児向けアニメのような「~~だよ」「~~してね」を極力使うようにしました。

 選曲画面では音ゲーなので難易度選択も備わっているのですが、単に「イージー・ハード」とかだとアニメ感が薄れてしまうんですよね。なのでdアニメストアで深夜枠の配信に使われていた区分「オンエア版・無修正版」を採用することにしました。オンエア版という響きから誰でも楽しめる難易度という想像ができ、無修正版は「オンエア版では万人受け狙いで簡単にしちゃったけど、こっちが本番だよ」というニュアンスで使えて良いかなと思いました。

 まあ、リリース後に「えっちなのに期待して無修正版選んだら(高難易度に)フルボッコにされました!」という感想を割りといただいておりまして、あまりデザインとしては良くないワード選びだったなとちょっと反省してます。でも、人が釣られてるのを見るのはそれはそれで楽しいので、修正しなくていいかとも思ってます(ドS)

フルボイスとジレンマ

 前回参加した時に続いてボイスは元々付けたかったのですが、後述するように開発が難航してしまいボイス実装を躊躇し始めていました。開発開始が月曜日で次の日曜日が納期な中、この状況になったのは水曜日のことでした。

 フォロワーの声優さんや検索から私を見つけてくれたであろう声優さんからも"急速なスケジュールでも可能"な旨のリプライをいくつかいただきましたが、やはり「実装できないまま日曜日を迎えたらどうしよう」「せっかく取ってもらったのに工数が増えるだけじゃないか」なんて優柔不断な事を考えたりしてて、決心が付きませんでした。

 そして愚かなことにボイス実装は諦めて開発を続けていたのですが、やはり金曜日になってどうしても諦めきれなくなり決心が付き、退路を断つことにしました。「セリフ30種類 日曜日の昼が納期」なんてトンデモなスケジュールでハッシュタグを大量に使って募集告知を飛ばしたのですが、大勢の声優さんからDMをいただけて感激しました。採用は当然2名なので他の方々は今回は見送らせていただきましたが、その旨のDMを送るのは結構心苦しかったですね‥。

 当然ながら音を流すプログラムの実装・音源から余計な空白を切り取り・マスタリングなどの工数は増えてしまいましたが、想定よりはあまり時間がかからなかったのが救いでしたし、何よりボイスが付いたことで理想のゲームに近づけたことが本当に嬉しくて、退路を断ってよかったと今では深く思っています。

開発遅延の反省

 そもそも「一週間でいっちょ前のミニゲームを作る」というのが、もしゲーム開発やソフトウェアのプログラミング等をされた経験あるかたなら理解できると思いますが「狂気の沙汰」としか思えないんですよね。

 まあそれは置いておくとしても想定よりも全然作業が進まず、月曜日の時点で終わらせたかった実装が間に合わず早速1日遅れになってしまってもう大変でした。音ゲーの譜面のデータを読み込むためのプログラムを書くところからスタートしており、それだけで火曜日までの丸々2日間を費やしてしまったのは結構な痛手です。

 ぶっちゃけこの手のイベントの場合、音ゲーの譜面データを読むプログラムなんてのは事前に別プロジェクトや趣味の一環で作っておいてそれを利用したり、またはGitHub(プログラム版のpixiv的なサイト)から拝借して使うことで作業時間短縮をするべきだったんだと思います。私は事前にそういうのをやってなかったので、自分で作ることになってしまいました。これは完全に自業自得ですね。

 でも今回で譜面データを読み込むプログラムを作ったので、次回以降のイベントで使い回せるでしょうし、先述の「Unityで製品レベルの音ゲー作ってみたくない?」案件で使えるのでヨシとしましょう!

徹夜しまくり

 んで、納期だった日曜日の20時に間に合ったのか?と言われますと‥もちろん遅刻しました!‥とっても悔しい。しかも金曜の夜から徹夜して土曜の朝に3時間仮眠を取り、そこから日曜20時までは一睡もせずに作業を続けたのですが、それでも間に合わなかったです。

 もう土曜日・日曜日の食生活なんか酷いもので、エナジードリンクで強制的に目を覚ましながら、極限までお腹が空いたら大急ぎでサラダチキンをかじるだけでした。食事をしている暇すらなかったのです。トイレが我慢の限界を迎えたときなんか、これで数分のロスだと悔しくなったりもして。

 あまりよくない心構えですが、遅刻が確定してしまった途端に結構肩の荷が降りたのも事実です。20時までと比べるとだいぶ落ち着いて作業できたんじゃないかなとは思ってます。それでも24時をまわりそうで、そこには意地でも間に合わせました。

 Unity一週間ゲームジャムはかなり遅刻に寛容なイベントなのですが、なんで日曜日の24時に間に合わせたかったかというと、このゲームのコンセプトが「日曜日の朝アニメ」だからです。だから日曜日には意地でも投稿したかった‥!それに後から知ったのですが、締切日だった6月25日は「百合の日」らしいですね。このゲームは女の子同士の百合的な掛け合いが(リスヴァンデュさんの趣味全開で)多く入っており、これはもう運命だと思いました。尚更間に合ってよかったです。

 24時に間に合わせた結果、楽曲は相方から5曲借りたものの2曲分しか実装ができませんでした。これはもう仕方ないですね。でも折角だからもう3曲も実装したい。そこで月曜日以降に1日1曲を追加実装していく方針にしました。毎日告知することで話題性の維持にも繋がって良いとは思います。でもイベントのコンセプト的には結構な反則技かとは思うのですが、ゲームの基盤自体は日曜日中に上げてるので許されますかね…?

キャラクター資産と今後

 さて、今回ゲームを作ったことで「うちの子」が2人も増えました。私はいつか私の作ったキャラクターや作品をつなぐ大きな世界観の構築だったり、スマブラ的なオールスターの舞台を作ってみたいという夢があります。だからこれでまた夢に一歩近づいたということですね。

 ゲーム本編で全然書ききれなかったキャラクター設定・世界観設定も神坂カコイ先生と実はたくさん考えてあるので、今度時間が取れたらそういった資料をまとめて紹介ページとか作りたいですね。今後が楽しみになってきました。‥が、ひとまずはたくさん寝させてください。

 改めまして、今回は本当に多くの方々にお世話になりました。ありがとうございました!

 ではまた次回。

[2023-06-29]