お疲れさまです。
時が流れるにつれて自炊を比較的するようになったものの、手を抜いてインスタント麺に手を出してしまうことはやはりある。スパゲッティを茹でて市販のソースをかけることもあるが、自炊が趣味の友人曰くそれすらインスタント麺と変わらないと斬られてしまった。
昔は何か料理していただろうかと思い出すと、親の手伝いでニンジンを切ったりだとか、学校の調理実習で米を炊いたりだとか、その程度のことしかやっていなかった気がする。故にインスタント麺に逃げるわけだが、ふと変わった料理体験を思い出した。
あれは大昔のことだが、一度だけ調理実習的なイベントに色々あって参加した(させられた)事がある。役所が管理してる施設の調理室で開催され、近所の子供だったり料理を学びたい奥様が参加していたのは覚えてる。親からは菓子作り体験と聞かされていた。
中年女性の講師が登壇すると今日のお題目は『グミ』であると告げられた。「子どもたちに大人気のお菓子」であることの他に、よく噛むからか「ダイエット用途でも注目されている」ことを理由に挙げていた。
基礎的な料理の知識すら持っていないため、グミの作り方など知るはずもなかった。コンビニやスーパーのお菓子コーナーで売っている不思議な食べ物といった印象だった。だからこそ、そのグミの作り方を知れるとあっては好奇心を揺さぶられたことを思い出す。嫌々参加してた自分はどこへやらだ。
しかし残念ながら当時のレシピはあまり覚えてない(オイ) 何か粉を水で溶かして沸騰させ、そこに青色1号みたいな着色料を投入して混ぜる‥みたいなことをしてた気がする。何故かフライパンではなくビーカーを使用していたあたり、調理というよりかは理科の実験みたいな雰囲気だった。子供は楽しいかもしれないが、料理を学びに来た奥様がこれで満足するかはわからない。
そして完成したグミを参加者全員で実食するわけだが、全く味がしない。あのグミ特有な甘さだとか酸っぱさだとかは一切ない。無味無臭だ。しかも食感だってグミというより幼少期にふざけて輪ゴムを口に入れて噛んだときと同じ感じがした。
確かに砂糖や甘味料などは入れていなかったはずなので甘くないのは仕方ない。しかしダイエット用途に注目されているという前提だったとしても、このレシピはダイエットに特化させ過ぎではないか。いや、むしろ修行の域に達しているかもしれない。
さっきまでキャッキャと騒いでた子どもたちも無言で食べてるし、レシピ持ってきた中年女性の講師ですら「お、おいしいですね~」みたいな事言ってるんだぞ。流石に砂糖なりシロップなり入れて作ったほうが良かったんじゃないかな‥。
とはいえ子どもたちは調理自体を楽しんでいたことは事実だし、私はグミのつくりかたを知ることができた(忘れたけど)。そして先生はダイエット食を広めることが出来たんだから結果として良いイベントだったんじゃないかと思う。奥様は‥‥うん。
そんなことを思い出しながら今日もインスタント麺を啜っているのだが、件の調理実習に参加させられた理由が何となくわかったかもしれない。
ではまた次回。
[2021-06-06]